2016年12月冬・編集発行・野尻湖フォーラム

私を訪ねてくれた蝶たち

文と写真 小林力

 事の始まりは些細なことからだ。

 村内の秋祭りの宴席で、秋の七草「フジバカマの花」を知らないと言ったところ、元高校の先生が「私の家にありますよ。見に来なさい」と。翌日伺うと、薄紫の花株が幾株も並んで咲き、何となく蜂蜜のような香りがして、数種類の知らない蝶が飛び回っていた。教えてもらった蝶の中で、旅をする蝶「アサギマダラ」というのに何となく心が惹かれて、インターネットであれこれと調べてみた。

 さほど高くない里山に囲まれた狭い山里にどのくらいの蝶の種類がいるのか興味津々となり、まずは「フジバカマ」の花を咲かせること、野草の花を咲かせることを考えているところに、妹から嫁ぎ先の家の一角に大きな株があり、増えて始末に困っているとの話を聞いた。
「その株をくれ」
妹がケットラ(軽トラ)で持ってきてくれた株を分けて植えた。繁殖力旺盛な野の花、畑の畦道が2〜3年でフジバカマの花畑になった。種々雑多の蝶が来るようになり、もちろんアサギマダラもやって来た。

アサギマダラ
赤岳(八ヶ岳)のアサギマダラ

 アサギマダラを初めて見たのは夏山の八ヶ岳だ。赤岳下山の途中、アザミの花に吸蜜中の蝶がいた。その時は、山仲間もその蝶の名を知らなかった。

 アサギマダラは春先から北上を始めるが、気温や風の関係なのか海抜の高い所を北上するようで、私は5月の末に黒姫裏の氷沢の林道で、斑尾の林道で、戸隠街道で、野尻湖東の湖畔道路等で出会ったことがある。 ⟩⟩⟩

 

 


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