2017年12月冬・編集発行・野尻湖フォーラム

電報閑話

文と写真 小林力

悪戯半分に5番を呼んでいる時に6番の家で5番の家人が受話器を上げるのとタイミングを合わせて受話器を上げると、5番と先客の会話がみな聞き取れました。また、受話器を取らなくとも通話の人が大声で話せば、スピーカーから小さな声で漏れてくるのです。そんな田舎の有線放送でしたが、それでも大変ありがたいことであり、便利な通信システムだったのです。

 その後、四桁番号のダイヤル方式に替わって様変わりしました。たまたま我が家の番号が自分の乗っていた車のナンバーと同じ数字で、後の二文字が入れ替わっただけ。家に電話する時は番号を復唱してからダイヤルをしました。また、会社の出張で遠くに出かけた時など、旅先から有線放送の事務所を公社の電話で呼び、我が家の31回線の5番、四桁の番号を伝えると我が家に繋いでもらえました。病弱の親父が寝付いていたので、いつも自分のいる宿の電話の番号を伝えることができたのです。

 今はどこにいても何をしていても胸の受話器が鳴ります。便利ではありますが、隠れ遊びはできない時代になりました。

 電報の話に戻しましょう。最初は「ショシフカシ」です。

 東京の大学で学んでいた田舎の家思いの青年が、ある日、大事に遭って、自分は無事だということを家に伝えた電報文。

「ショシフカシタンシフフシ」

受けた両親はポカン? ⟩⟩⟩

 


文頭へ前へ次へ