2017年12月冬・編集発行・野尻湖フォーラム

電報閑話

文と写真 小林力

 学生が学んでいた大学の女子寮が火事で大騒動に。しかし男子部の寮は何事もなかったことを家に伝えた電報です。電報文の決まりを捨てても、自分の無事を伝えたかったのでしょう。電報は一文字幾らの料金計算。濁音、半濁音、区切りの点が1字として計算されます。学生は学費を送ってもらっての学生生活ですから、1円でも経費の節約をしたかったのでしょうか。それとも知恵不足だったのでしょうか。

「ショシフカシタンシフフシ」これを正しい電文に置き換えると
「シ゛ョシフ゛カシ゛タ゛ンシフ゛フ゛シ゛」

何文字が削られ、幾ら節約されたのか。時代の美談の一編か、田舎者の知恵不足と笑われたのか。

 またこんな話もあります。

 出家した若者が、自分の金では数珠を買う余裕がないので故郷の両親に数珠を送って欲しいというお願いの電報を送りました。

「フタエニオリテクヒ゛ニカケルシ゛ュス゛」

しばらくして、依頼した数珠が届きました。感謝の気持ちで荷物を開くと、2メートル近い大変な数珠でした。修行僧、ポカン?

 修行僧はひとつの区切り点を忘れていたのでした。修行僧の欲しかった数珠は「二重に折り、手首にかける数珠」しかし、両親は電文を読み違えたのです。 ⟩⟩⟩

 


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