2018年7月夏・編集発行・野尻湖フォーラム

孫の日記

文と写真 小林力

その一部は里に下りたのでしょうね。一時は里山でも野うさぎの姿がなくなった時期がありました。
 春先、5月の初めころには田圃の近くや山際の芽吹いたばかりの草の土手でキジが鳴いていました。同じくらいの大きさのヤマドリが山道の路肩などから突然のように飛び立ったものですが、今はまったく姿がありません。子育てのころ食べられてしまったんでしょうね。
 土を削り取った近くの山に狐が住んで子育てをした穴が5,6個掘ってあります。今年は村内の空家の縁の下で子育てをしました。子狐が2匹、親子4匹で昼間なのに道で遊んでいたり、朝早くに畑の中を走り回っていたり、家の庭まで餌になるものを探しに来ます。食べ物が少ないのか、毛が乱れて可哀想なくらい痩せていますよ」

 ニコニコしながら黙って聞いてくれていましたが、不思議そうな眼差しをしていました。
「山里は荒れたのでしょうかね」と言うと、彼はうつむいて笑っていました。

巣穴
キツネの巣穴

小林力
野尻本道の原住民

 


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