2008年7月夏・編集発行・野尻湖フォーラム

編集後記


 もし大地震が起きたら・・・もし大雨による水害が起きたら・・・もし・・・もし・・・、心配性のネガティブ思考のようだが、その「もし」も最近の天災被害のニュースを見ていると、あながち度の過ぎる心配性とも言い切れない。それにつまらない偽装工作も後を絶たないから何を信じて何をするべきなのかも心もとなくなってきている。人間の生命に関わる問題であった場合、試してみて悪い影響が出たから対策を、で済まない。自然環境にしても気付いた時には手遅れということもある。

 新潟県に隣接する信濃町、その中でも県境である関川に接しているのが野尻地区である。赤川の産廃問題にしても外来魚の問題にしても、野尻の問題はすべてお隣の新潟県にも影響を及ぼす。慎重に取り組みたい。

 今回、記事を書くにあたり、野尻湖の利権者ということで少し調べ始めたのだが、利水に関してはほとんど新潟県である。江戸時代の中江用水の開削に始まり、発電、戦時特例による河水統制事業など、天然湖沼ながら、人為によって水位も水の流れも変化させられ、関係する団体が多くあることがわかった。時代の流れ、状況も様変わりしている今、きっちりと調べるには時間がかかりそうだ。

 野尻湖に接するようになって18年、人間の営みとは関係なく、湖の景色は相変わらず美しく、見ていて飽きることがない。今年、範囲は小さいながら、誰でもが利用できる親水公園ができた。眺めるだけではなく、ボートを借り出す手間もかからず、水に触って楽しめるのだ。場所は湖西岸、湖楽園キャンプ場のお隣、ナウマンゾウと野尻湖人のモニュメントが目印だ。明るい話題だけで本誌を飾れるのを願う今日この頃である。(Y)

 

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