
我が野尻のお祭り
平成二十二年宇賀神社式年大祭を振り返って
26日は恒例の本宮例大祭斎行となる。戸隠神社から献弊使とその付き人、その他それぞれの役割ある神官が5名、そして宇賀神社の神官3名の総勢10名が執り行う神事は、それはそれは「平安絵巻を観るが如し」の見栄えと見事さで、併せて色とりどりの神官達のご装束は鮮やかさを絵にしたようである。こうして何百年にも渡ってほとんど変わりなく継承され守ってきた代々の神官の方々、それを見守り維持してきた野尻の先輩の方々には心から敬服するところだ。この神事は毎年のことなので、今年見逃した皆様は是非来年には体験してほしい。またこの夜は里宮例祭の日でもあり、浦安の舞そして獅子舞の奉納の後、「祭」には欠かせない神楽の賑わいを伴い、宵宮恒例の町廻りが挙行された。
27日はこれまた恒例となっている関川水系土地改良区の皆様が参拝に訪れた。野尻湖を農業水源としていることから、それに対しての感謝の気持ちを、宇賀神社の存続に貢献するという関わり方でご尽力いただいている方々なので、毎年御礼の気持ちを込めてお迎えしている。またこの日は特別行事として、花火の打ち上げを挙行した。予算の許す限りの打ち上げ花火も、午後7時からが10分たらずで終了。しかしとても内容豊かな素晴らしい花火だった。なんと贅沢な10分だったかと、今になってもしみじみ思う。一緒に観ていた宮司が、打ち上げに費やした時間があまりに短かかったことを自分の責任のような物言いを残して花火終了後そそくさと席を離れたかと思うと、瞬く間に大きな箱に玩具花火をいっぱい抱えてきてくれた。それを見たときに、このM宮司という人が宇賀神社のことのすべてを自分のこととして受け止める厳しさと、そして氏子と地域の平和を守る優しさとを持ち合わせて生きる、その姿勢を垣間見た気がしたのは私だけではなかったと思う。
この日の夜、明日の準備がまだ整っていないことを危惧した責任役員3名で、花火が終了した後、里宮に戻り作業をし始めた。「魔法使いアキットがやってくる」の看板作りだ。費用をかけないで作る看板ながら、素人の発想と施工だから、思いのほか時間を費やすこととなったが、出来映えは上々と自己満足し、若い頃に経験した文化祭の前夜のような妙な気分を味わい、それが清々しかったことを覚えている。この手作り感がとっても気持ち良い。地域のことはこの感じが良い。