
童話館だより(3)
童話館と信州児童文学会
全国から181名の参加者を集め、記念講演は子安美知子の「ミヒャエルエンデの人と文学」、作品を持ち寄っての分科会も白熱しました。
このとき、私は司会進行を務めていたのですが、ちょっとしたハプニングがありました。当時の長野県知事吉村午良が童話館を訪れたのです。親戚のみなさんと、まったくのプライベートでした。
その吉村知事に即興のスピーチを依頼したのは、機知に富んだ高橋館長だったのでしょう。童話館ホールのステージへ押し上げられた知事を、私は、
「吉村午良長野県知事にお出でいただきました。」
と紹介したのですが、あの朴訥な知事が、いつにも増して言葉に詰まっていたのを覚えています。
申し訳ないことをしました。それでも、あの場で「童話を書くみなさんですか」と、怒るでもなく話していただいたことに感謝しています。
このセミナーによって、童話館は、童話関係者に広く知られるようになったのです。
当時の来館者数は、年間8万に届いていました。現在の実に4倍という驚異的な数値です。
信州児童文学会とは
児童文学者は、大人対象の文学者と違って、結構群れ集まります。同人誌を中心にして、仲間を集め、後輩の育成にも手を貸します。
教育的雰囲気を醸し出すのは、やはり対象が子どもだからでしょうか。
日本児童文学者協会や日本児童文芸家協会という大きな組織があり、各県にそれに連なる組織があるのです。 〉〉〉