2018年12月冬・編集発行・野尻湖フォーラム

2年目の文化庁補助事業の取り組み

野尻湖ナウマンゾウ博物館 学芸員 渡辺哲也

正式な事業名は「平成30年度文化庁地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業」で、認められた事業は、(1)多言語化による国際発信事業、(2)氷河時代案内人(地域学芸員)育成事業、(3)地域と協働による周辺地域活性化事業の3つです。補助金交付が決定したのが7月下旬でしたので、繁忙期の夏が過ぎてからの事業の実施となり、実質は9月から動き出しました。

多言語化による国際発信事業

 前述のようにインバウンドに対応しようと複数の事業を申請しましたが、認められたのはホームページの多言語化のみでした。この事業では昨年度作成した外国語のパンフレットを基に、英語、中国語、台湾語、韓国語の4ヵ国版のホームページを作ります。

氷河時代案内人(地域学芸員)育成事業

 昨年は博物館の見学会や体験学習の体験会などを行い、博物館を理解してもらうことに努めましたが、今年は一歩踏み込んで、「氷河時代案内人養成講座」を開催し、氷河時代案内人(地域学芸員)を認定するという取り組みを始めました。野尻湖ナウマンゾウ博物館学芸員による講座3回と、外部講師による講演会1回の計4回すべてを受講した人を氷河時代案内人に認定するというものです。

 学芸員による講座ですが、野尻湖ナウマンゾウ博物館の展示解説書をテキストに用い、11月13日は近藤館長による「野尻湖発掘と哺乳動物化石」、11月20日は関めぐみ学芸員による「地層が語る野尻湖7万年の歴史」、11月27日は私の「遺跡と人類」というテーマで行われました。また、講演会は長野県大町市の市立大町山岳博物館学芸員の千葉悟志さんに「親しまれる博物館をめざして」の演題で行っていただきました。  ⟩⟩⟩

 


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