2018年12月冬・編集発行・野尻湖フォーラム

童話館だより(3)
童話館と信州児童文学会

黒姫童話館館長 北沢彰利

ベニテングタケ

 松谷みよ子とのつながりも、高橋館長によるものでした。生前の松谷みよ子が、全資料の寄贈を決意したのは、童話館と高橋館長への深い信頼からでした。

 童話館前庭のもみの木のまわりに出るベニテングダケを見て、
「童話館にはキノコまで、童話らしいキノコが出るのね」
と喜んだ松谷みよ子のことばからは、童話館を、「童話作家松谷みよ子」の終の棲家と決めた信頼と愛情が伝わります。

 開館30年を3年後に控えて、童話館は蓄積した実績と決して軽くない課題の中にあります。

 ともすれば悲観的になりがちな状況を打開していくには、開館当時の関係者の夢と情熱に学ぶことだと思っています。

 童話館と信州児童文学会との協力関係にも、新たな血を通わせていきたいと願っています。

 

北沢彰利
2017年黒姫童話館館長に就任
日本児童文学者協会評議員・信州児童文学会会長。童話作家(いぶき彰吾)

 


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